鼻の病気

鼻前庭炎、鼻せつ

原因

 鼻の入口付近を指でいじったり、繰り返し鼻をかんだり、鼻毛を抜いたりすることで起こる炎症を鼻前庭炎と呼びます。分泌腺や毛穴に細菌が感染し、「おでき」ができることを鼻せつとよびます。

  鼻前庭炎はひりひりする程度ですが、鼻せつでは鼻がはれ、かなりの痛みを生じます。 

このようにして治療します

 鼻前庭炎では抗生物質入り軟膏を塗布。鼻せつでは軟膏に加えて抗生物質を内服します。

急性副鼻腔炎

原因

 顔の骨の内側には副鼻腔と呼ばれる空洞が数か所あります。各々の副鼻腔は直径1~2ミリの細い通路で鼻腔とつながっており、換気や粘液の排泄が行われます。

 ウイルスや細菌の感染により、鼻汁や腫れた粘膜で副鼻腔の交通路がつまってしまいます。この状態が続くと副鼻腔の換気や粘液の排泄が十分に行えず、膿が溜まってきます。膿が溜まると炎症が悪化してますます交通路がつまるという悪循環に陥ります。この状態が急性副鼻腔炎です。かぜの後に生じることがほとんどですが、虫歯や真菌(カビ)感染、腫瘍による二次性炎症のこともあります。

症状と診断

 頬や額の辺り、ときに奥歯が痛み、膿のような黄色い鼻汁がでます。鼻閉や後鼻漏(鼻汁がのどに流れ落ちる)、嗅覚障害、小児では痰の絡んだような咳(横になると悪化する)もみられます。

 レントゲンや内視鏡で副鼻腔粘膜の腫れ、膿がたまっている様子を確認します。

このように治療します

 抗生物質(ペニシリン系、セフェム系、ニューキノロン系)や消炎剤の内服を行います。特に小児では鼻の吸引やネブライザーが有効です。1~3週間で改善することが多いのですが、治療開始まで長期間放置されたケースでは炎症が慢性化することがあります。

慢性副鼻腔炎

原因

 急性副鼻腔炎が治りきらずに慢性化した状態です。症状は膿性の鼻汁、後鼻漏、頬や額の重苦しさ、痰の絡んだ咳です。鼻内にポリープ(鼻茸)ができることがあり、この場合は鼻がつまり、においが分かりにくくなります。

このように治療します

 マクロライド系抗生物質を少量(常用量の半分)、1~3ヶ月内服します。少量のマクロライドには炎症を抑える作用、粘膜の免疫能を調節する作用があり、慢性副鼻腔炎の病態に沿った治療法と言えます。耐性菌を誘導することはほとんどなく、安全な治療です。

 マクロライド療法で改善がみられない場合は内視鏡手術を行います。手術では炎症性に腫れた粘膜を切除し、副鼻腔の入口を拡大します。ポリープがある場合は合わせて切り取ります。副鼻腔と鼻腔との交通を広げることで換気と排液がスムーズに行われるようになり、粘膜の炎症が改善していきます。一週間ほどの入院が必要です。

アレルギー性鼻炎

原因

 鼻から吸引されたアレルギーを引き起こす物質(アレルゲン)により、くしゃみ・水様性鼻汁・鼻閉が生じた状態です。多数あるアレルゲンのうち最も多いのがハウスダストとダニです。次いで花粉(スギ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギなど)が多く、カビや動物(イヌ、ネコ、鳥など)に反応するケースもあります。

 年々増加の傾向にあり、日本人の3~4割は何らかのアレルギーを有すると考えられています。低年齢化も進んでおり、2~3歳で発症する例が増えてきました。

このように治療します

 アレルゲンの回避(家の掃除、空気清浄機の使用、花粉を吸わないなど)を基本として、抗アレルギー薬の内服や点鼻療法を行います。治療を開始するにあたり、アレルギーのタイプ(鼻閉型、くしゃみ・鼻汁型など)を正確に判断し、重症度に見合った適切な薬剤を選択しないと満足な効果は得られません。

 ダニやハウスダストに反応する通年性アレルギー性鼻炎では、内服薬はしばらく続ける必要がありますが、経過が良ければ内服の回数を減らすこともできます。

 内服薬や点鼻薬で満足な効果が得られない場合は手術を考慮します。レーザーや電気凝固装置で鼻の粘膜を焼灼する手術が一般的です。保険適応となり日帰り手術が可能です。

※当院ではアレルギー性鼻炎の手術は行っておりません。ご希望の方は総合病院へご紹介いたします。

花粉症

 アレルギー性鼻炎のうち、花粉により引き起こされるものを花粉症と呼びます。鼻症状の他に目の痒み、のどのイガイガ感を伴うことが多く、重症例では仕事や学業に支障を来たしたり、睡眠が不十分になったりします。

 スギ花粉症が最も多く、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギなども原因となります。治療は抗原回避(マスクやメガネの使用)、抗アレルギー薬の内服と点鼻療法が基本です。花粉が飛散する1~2週間前から内服を開始する初期療法が非常に効果的です。

鼻出血

原因

 鼻粘膜には血管が豊富に分布しており、少しの刺激で出血することが良くあります。原因は、機械的な刺激(鼻をいじる、強く鼻をかむ、こするなど)や急激な血圧上昇、鼻腔粘膜の乾燥、アレルギー性鼻炎などです。

 鼻副鼻腔領域の腫瘍(上顎癌など)が原因のこともあり、鼻副鼻腔の検査が必要です。 血液疾患(白血病、血友病など)、肝硬変、人工透析、抗凝固剤の内服、動脈硬化、遺伝性疾患(オスラー病など)も原因となります。

このように治療します

 鼻出血が生じたら、綿球やティッシュをつめ、鼻をつまんで圧迫します。10~15分続けるとほとんどの例で止血します。それでも止まらない場合や、出血を何回も繰り返す場合は耳鼻咽喉科を受診してください。

 耳鼻咽喉科では出血部位を電気凝固させて止血しますが、薬液で粘膜を硬化させるだけで済むこともあります。鼻腔後方からの出血で電気凝固が難しい場合はガーゼを詰めて数日間圧迫します。重症例では入院のうえ経過観察が必要です。

鼻骨骨折

原因

 鼻の付け根には薄い屋根のような鼻骨があります。外傷(スポーツや事故)によりこの鼻骨が折れると、鼻が陥没したり鼻すじが左右いずれかに曲がったりします。レントゲンやCTにより骨折部位、骨のずれ方、変形の程度を診断します。

このように治療します

 外見上、明らかに変形している場合はできるだけ早期に整復手術を行います。変形していても本人が気にしないという場合は手術せず、そのまま骨がつながるのを待ちます。この場合、変形は残ります。

 整復手術はペンチのような整復鉗子を用いて、鼻内から陥没した部分を持ち上げて元の位置に戻します。その後鼻内にガーゼを挿入して1週間ほど固定します。 受傷後2~3週間を過ぎると骨がくっついてしまいこの方法では整復できなくなります(形成外科的な手術が必要になります)。

嗅覚障害

 においが分かりにくくなることです。鼻腔の奥の限られた場所に、においを感じる細胞が集まっている狭い隙間があります。嗅覚障害の多くはこの隙間が副鼻腔炎やポリープで塞がってしまうことが原因です。治療により副鼻腔炎が治ればにおいは回復します。

 他には、においを感じる細胞がかぜのウイルスからダメージを受け、機能を失ってしまうことがあり、この場合は早期治療が必要です。また、加齢でも嗅覚は徐々に低下します。近年、高齢者の嗅覚障害(厳密には識別障害)はアルツハイマー型認知症の初期症状の可能性があると考えられています。

 先天性、頭部打撲などの外傷性、薬剤性の嗅覚障害も知られていますが、頻度は多くはありません。

上顎癌

原因

 上顎洞粘膜から発生する癌で、50~70歳代に多く、ほとんどが扁平上皮癌です。上顎洞という骨に囲まれた空洞内で生じる癌であるため、初期に見つかることは稀です。

症状と診断法

 ある程度進行すると、一側性の悪臭を伴う血性鼻漏、鼻閉、顔面痛・歯痛・頭痛、顔面腫脹、眼球突出などの症状が出現します。疑わしい症状がある場合は、内視鏡検査、CT/MRI検査、病理組織検査を行います。

治療法

 癌の大きさ、周囲への進展度、転移の有無などにより治療方針が決定されます。通常は手術、放射線療法、抗がん剤による化学療法を組み合わせて行われます。

診療予約はこちらから

  • 電話での受付はこちら ✆18603-3599-6638
  • 受付・待ち状況確認
  • みみ・はな・のど通信
  • クリニックブログ
診療時間 9:00-12:30 14:30-18:30 土 9:00-13:00 休診日 水・土の午後日曜、祝日